イタリア料理と聞くと、何を思い浮かべますか?
ピッツァ、パスタ、ティラミス――。
どれも日本でおなじみの料理ですが、実はイタリアには「えっ、それを料理に使うの?」と驚く食材の組み合わせがたくさんあります。
その代表格ともいえるのが、“いちごのリゾット”。
「いちご=デザート」というイメージが強い日本人にとっては、ちょっと勇気のいる料理かもしれません。でも北イタリアでは、春になるとレストランのメニューに登場することもある、れっきとした季節料理なんです。
「甘いの?しょっぱいの?」
初めて名前を聞いたとき、多くの人がこう思うはず。
“それって結局、甘いの?しょっぱいの?”
答えは――しょっぱいです。
もちろん、いちごの甘みや酸味はあります。でも、砂糖を使ったスイーツではなく、ブロード(だし)とチーズで仕上げる完全なるリゾット。
口に入れると最初に感じるのは、バターとチーズのコク。そのあとから、いちご特有のフルーティーな香りと酸味がふわっと広がります。
なんとも不思議。
でも、なぜかクセになる味。
「イタリア料理って、“意外な組み合わせ”を恐れないんですよね。
「生まれたのは北イタリア」
いちごのリゾットがよく食べられているのは、ロンバルディア州やヴェネト州など、米どころとして知られる北イタリア。
もともとリゾット文化が根づいている地域なので、季節ごとの食材を使ったリゾットがたくさん存在します。
秋にはポルチーニ茸。
冬にはラディッキオ。
春になるとアスパラガスやいちご。
つまり、“旬を楽しむ料理”。
特にミラノ周辺では、フルーツを料理に使うこと自体、それほど珍しいことではありません。豚肉にりんごを合わせたり、チーズに洋梨を添えたり。
甘味と塩味を組み合わせる感覚は、日本人が思う以上にイタリア人にとって自然なものなのかもしれません。
「実は、赤ワインとも相性抜群」
いちごのリゾットには、白ワインを合わせるイメージがあるかもしれません。
でも、実際には軽めの赤ワインと合わせる人もいます。
理由は簡単。
いちごの香りと赤い果実系のワインがよく合うから。
特に、北イタリアの微発泡赤ワイン“ランブルスコ”との組み合わせは最高。
シュワっとした泡と、いちごの酸味。
そこにチーズのコクが加わって、気づけばスプーンが止まらなくなります。
「見た目のかわいさにだまされる」
そして、この料理の最大の特徴。
それは、見た目が圧倒的にかわいいこと。
淡いピンク色に染まったリゾットは、まるでデザートみたい。 お皿に盛ると、一気に華やかになります。
でも、一口食べるとしっかり“食事”。
イタリア料理って、豪快なイメージもありますが、実はこういう“遊び心”にあふれた料理も多いんです。

「春のイタリアを食べる一皿」
いちごのリゾットは、万人受けする料理ではないかもしれません。
でも、「旬を楽しむ」というイタリアらしさがぎゅっと詰まった一皿です。
甘いだけじゃない、しょっぱいだけでもない。
季節の香りをそのまま閉じ込めたような味。
もし春にイタリアを訪れる機会があったら、ぜひ一度試してみてください。
きっと、
“いちごって、こんな食べ方もあるんだ”
と驚くはずです。


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