イタリア旅行の準備でユーロに両替するとき、
「お札は枚数が少ない方が持ち運びやすそう」
そう思って、100ユーロ札や200ユーロ札を選ぼうとしたことはありませんか?
実はそれ、イタリアではあまりおすすめできません。
最近はカード決済がかなり普及しているため、
現金を大量に持ち歩く必要はありません。
ただし、小額の現金があると便利な場面は今でも少なくありません。
そしてイタリアでは、「いくら持っているか」よりも、
「どんなお札を持っているか」が意外と重要なのです。
今回は、旅行前に知っておきたいイタリアのお札事情をご紹介します。
50ユーロ札だと「細かいのはありませんか?」と言われることがある
イタリアでよく見かける紙幣は20ユーロ札と50ユーロ札です。
ところが、朝のバールでエスプレッソを一杯注文して50ユーロ札を出すと、
「もっと細かいお札はありませんか?」
と聞かれることがあります。
「え?50ユーロなのに?」
と思うかもしれませんが、イタリアでは珍しいことではありません。
特に
・朝一番のバール
・市場
・ジェラート屋さん
・家族経営の小さなお店
では、お釣りが十分に用意できていないことがあります。
お店の人が困っているだけなので、気分を悪くする必要はありません。
スーパーや大型店なら問題なく使えることがほとんどですが、
小さなお店では5ユーロ札や10ユーロ札、20ユーロ札の方が歓迎されます。
さらに、小銭があるともっと喜ばれることもあります。
私も、少額の買い物で端数まで小銭でぴったり出しただけで、
店員さんに笑顔で
「Brava!(ブラーヴァ!)」
と言われたことが何度かあります。
レジの中の小銭を減らさずに済むので、
お店にとってはありがたいのかもしれません。
そんな何気ないやり取りも、イタリアらしい旅の楽しさの一つです。
100ユーロ札・200ユーロ札はさらに使いづらい
100ユーロ札でも少し身構えられることがありますが、
200ユーロ札になるとさらにハードルが上がります。
市場では受け取りを断られることもありますし、小さなお店では
「お釣りがありません。」
と言われることも少なくありません。
また、高額紙幣を受け取った店員さんが、
・光に透かして確認する
・レジ係同士で見せ合う
・店長を呼ぶ
という光景も珍しくありません。
もちろん偽札と決めつけているわけではなく、
高額紙幣を目にする機会が少ないため、
慎重に確認しているだけです。
なんとなく、旅行者としては少しドキドキしてしまいますが、
これもイタリアではよくある光景です。
500ユーロ札は「使えない」わけではない

「500ユーロ札は廃止された」と思っている方も多いようですが、
実は少し違います。
500ユーロ札は新たな発行が終了しただけで、
現在でも法定通貨として有効です。
銀行でもそのまま取り扱われていますし、使うこともできます。
ただし、実際に見かける機会はほとんどありません。
私もイタリアで暮らしていて、
500ユーロ札を見ることは滅多にありません。
そのため、もし500ユーロ札をレジで出したら、
「えっ、500ユーロ?」
という反応になる可能性は十分あります。
使えないわけではありませんが、
旅行中に持ち歩くメリットはほとんどないでしょう。
日本で両替するときは「細かいお札」を多めに
日本でユーロに両替するときは、
・5ユーロ札
・10ユーロ札
・20ユーロ札
を多めに受け取るのがおススメです。
50ユーロ札も数枚あれば十分でしょう。
ホテル代や高額な買い物はカードで支払うことが多いため、
高額紙幣を持ち歩く場面はあまりありません。
一方で、バールでコーヒーを飲んだり、市場で果物を買ったり、
タバッキでバスのチケットやミネラルウォーターを買ったりするときには、
少額紙幣があるととても便利です。
また、駅や地下鉄の発売機では高額紙幣が使えないものも少なくありません。
「お金はあるのに買えない…。」
そんなことにならないよう、細かいお札を何枚か持っておくと安心です。
旅行中の「ちょっとしたストレス」を減らすためにも、
細かい紙幣を多めに持っておくことをおすすめします。
ユーロ紙幣には人物が描かれていない

ところで、ユーロ紙幣をじっくり見たことはありますか?
日本のお札には歴史上の人物が描かれていますが、
ユーロ紙幣には人物は登場しません。
描かれているのは窓や扉、橋といった建築物。
しかも、それらは実在する建物ではなく、すべて架空のデザインです。
「どこか一つの国だけを象徴しないように。」
そんなヨーロッパらしい考え方から生まれたデザインなのです。
だから、イタリアで使うお札も、フランスやドイツで使うお札も同じ。
「イタリアのお札」というより、「ヨーロッパみんなのお札」なのですね。
とはいえ、描かれている建物は、イタリアにありそうだし、
フランスっぽくもあるし…。
実にうまく作られたデザインだと思います。
コインを見るのも旅の楽しみ


紙幣は共通ですが、ユーロ硬貨は少し違います。
表面は共通でも、裏面は国ごとにデザインが異なります。
イタリアでお釣りを受け取ると、
スペインやフランス、ドイツ、オーストリアなど、
さまざまな国のコインが混ざっていることも珍しくありません。
旅先で財布を開いて、
「今日はどこの国のコインが入っているかな?」
そんな小さな楽しみも、ユーロ圏ならではの魅力です。
旅は、財布の中にも発見がある
旅行では、美術館や観光地ばかりに目が向きがちです。
でも、お札やコインにも、
その土地らしい文化や暮らしが映し出されています。
イタリアではキャッシュレス化が進んだとはいえ、
現金が役立つ場面はまだたくさんあります。
そして、高額紙幣よりも小額紙幣の方が歓迎されるというのも、
実際に暮らしてみて感じるイタリアらしい一面です。
これからイタリア旅行を計画している方は、
日本でユーロに両替するとき、
ぜひ「細かいお札を多めに」と思い出してください。
「お札は大きい方が便利」とは限りません。
むしろ、5ユーロ札や10ユーロ札が何枚か入っているお財布の方が、
イタリアではずっと心強い旅の相棒になってくれるはずです。

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